長崎県の西に浮かぶ五島列島。世界遺産の教会群、透き通るエメラルドグリーンの海、手つかずの自然が残るこの離島への旅を計画しているものの、「そもそもどうやって行けばいいの?」と迷っている方は少なくありません。
実際に五島列島へのアクセスは、飛行機・ジェットフォイル(高速船)・フェリーの3つの手段があり、出発地や予算、旅のスタイルによって最適な選択肢が大きく変わります。個人的な経験では、初めての方ほど「思ったより選択肢が多くて混乱する」というケースが多い印象です。
この記事では、各交通手段の所要時間・料金・メリットを網羅的に比較し、あなたにぴったりの行き方が見つかるようまとめました。
この記事で学べること
- 飛行機なら福岡から約40分、長崎からは約30分で五島列島に到着できる
- フェリーは片道4,080円からと最も経済的で車両の持ち込みも可能
- 博多港発の夜行フェリーを使えば宿泊費を節約しながら翌朝到着できる
- 上五島と下五島では出発港・ルートが異なるため事前確認が必須
- 島内移動はレンタカーが最も効率的でバスは本数が限られている
五島列島への3つの行き方を比較
まず全体像を把握しましょう。五島列島へのアクセス手段は大きく分けて飛行機、ジェットフォイル(高速船)、フェリーの3つです。
それぞれに明確な特徴があり、「とにかく早く着きたい」「費用を抑えたい」「車を持って行きたい」など、旅の優先順位によって最適解が変わります。
交通手段別の所要時間比較(長崎→福江島)
飛行機で五島列島へ行く方法

最短で五島列島に到着したいなら飛行機が最適です。
福岡空港から五島つばき空港(福江空港)への直行便は約40分、長崎空港からは約30分で到着します。運航しているのはORC(オリエンタルエアブリッジ)とANA(全日本空輸)のコードシェア便です。
時間を最優先する方や、長崎・福岡を経由して五島列島を訪れるビジネス出張の方には非常に便利な選択肢といえます。
ただし注意点もあります。
便数が限られているため、特に繁忙期は早めの予約が必要です。また、小型機での運航となるため、荷物の重量制限がフェリーに比べて厳しくなります。離島割引運賃などの割引制度を活用すれば、通常運賃よりかなりお得に利用できる場合もありますので、予約時に確認することをおすすめします。
飛行機のメリット
- 圧倒的に速い(最短30分)
- 船酔いの心配がない
- 天候による欠航がフェリーより少ない
飛行機のデメリット
- 料金が最も高い
- 便数が少なく予約が取りにくい
- 車両の持ち込みは不可
ジェットフォイル(高速船)で五島列島へ行く方法

速さとコストのバランスを重視するなら、ジェットフォイルがおすすめです。
ジェットフォイルは水中翼船とも呼ばれ、海面を浮上して高速で航行する船舶です。簡単に言えば「海の上を飛ぶように走る船」で、通常のフェリーの約半分の時間で目的地に到着できます。
運航しているのは九州商船です。主なルートと所要時間は以下の通りです。
長崎港から福江島(下五島)へ
所要時間は約1時間25分〜45分。大人片道7,000円以上が目安となります。下五島エリアの玄関口である福江港に直結しており、最も利用者の多いルートです。
長崎港から奈良尾港(上五島)へ
所要時間は約1時間10分。上五島の南部に位置する奈良尾港に到着します。上五島を中心に観光したい方はこちらのルートが便利です。
長崎港から有川港(上五島)へ
高速船で約1時間43分。上五島の中央部にある有川港に到着するため、五島列島の観光で頭ヶ島天主堂などの世界遺産を巡りたい方に適したルートです。
フェリーで五島列島へ行く方法

費用を抑えたい方や車を持ち込みたい方には、フェリーが最適な選択肢です。
フェリーは3つの交通手段の中で最も経済的で、かつ自家用車やレンタカーを島に持ち込める唯一の方法でもあります。所要時間は長くなりますが、船旅そのものを楽しめるという魅力もあります。
長崎港発のフェリー
九州商船が運航する長崎港から福江島へのフェリーは、所要時間約3時間10分〜55分、大人片道4,080円です。上五島の奈良尾港へは約2時間35分〜5時間20分(経由便によって異なります)。
長崎港は長崎駅から路面電車やバスでアクセスできるため、本州方面から新幹線で長崎に入り、そこからフェリーに乗り継ぐという旅程が組みやすいのが特徴です。
佐世保港発のフェリー
佐世保港からは有川港、小値賀港、宇久港へのフェリーが運航されています。所要時間は約2時間30分、大人片道2,940円(佐世保→有川の場合)と、長崎港発よりもさらにリーズナブルです。
上五島を目的地とする場合は、佐世保からのルートも有力な選択肢になります。
博多港発の夜行フェリー
福岡方面から出発する方に特におすすめなのが、博多港発の夜行フェリーです。
野母商船が運航するこの夜行便は、博多港を23時45分に出発し、翌朝5時40分に中通島(上五島)、8時15分に福江島(下五島)に到着します。所要時間は約7時間40分ですが、寝ている間に移動できるため、宿泊費を1泊分節約できるという大きなメリットがあります。
出発地別のおすすめルート
五島列島へのアクセスは、出発地によって最適なルートが異なります。ここでは主要な出発地ごとに、最もおすすめの行き方を整理しました。
東京・大阪など本州方面からの場合
本州からの場合、まず福岡か長崎まで移動する必要があります。
最速ルートは、羽田・伊丹空港から福岡空港へ飛び、福岡空港から五島つばき空港への乗り継ぎ便を利用する方法です。乗り継ぎ時間を含めても、東京から半日程度で到着可能です。
コスパ重視ルートは、新幹線で博多駅まで移動し、博多港から夜行フェリーに乗る方法です。移動時間は長くなりますが、宿泊費を含めたトータルコストを抑えられます。
福岡からの場合
福岡空港から飛行機で約40分が最速です。時間に余裕がある場合は、博多港からの夜行フェリー(23時45分発)を利用すれば、翌朝には島に到着できます。
長崎からの場合
選択肢が最も豊富なのが長崎発です。飛行機(約30分)、ジェットフォイル(約1時間30分)、フェリー(約3時間10分)の3つから、予算と時間に応じて選べます。
上五島と下五島の違いと行き先の選び方
五島列島は大きく上五島(かみごとう)と下五島(しもごとう)の2つのエリアに分かれます。この違いを理解しておくことが、ルート選びで失敗しないための重要なポイントです。
上五島の中心は中通島で、有川港や奈良尾港が玄関口になります。世界遺産の頭ヶ島天主堂や青砂ヶ浦天主堂など、教会群を巡りたい方は上五島がメインになります。長崎港または佐世保港からのアクセスが便利です。
下五島の中心は福江島で、福江港が玄関口です。五島列島最大の島であり、鬼岳や堂崎天主堂、美しいビーチなどの見どころが集中しています。長崎港・博多港・福岡空港からアクセスできます。
島間の移動について
上五島と下五島の間は船でのみ移動可能です。福江島から奈留島へはフェリーで約30〜45分、久賀島へは約20〜30分で到着します。1日に複数便が運航されていますが、季節によってダイヤが変わるため、事前の確認が欠かせません。
複数の島を巡りたい場合は、福江島を拠点にして日帰りで周辺の島を訪れるプランが効率的です。
島内での移動手段
五島列島に到着した後の島内移動も事前に計画しておきましょう。
最もおすすめなのはレンタカーです。五島列島は観光スポットが点在しているため、自由に動けるレンタカーが圧倒的に便利です。福江港ターミナル周辺にはレンタカー会社が複数あり、事前予約しておけば到着後すぐに利用開始できます。
路線バスも運行されていますが、本数が限られているため、バスだけで観光地を効率よく回るのは難しい場合があります。利用する場合は必ず事前に時刻表を確認してください。
そのほか、タクシー、レンタバイク、レンタサイクル、観光周遊バスといった選択肢もあります。体力に自信がある方は、レンタサイクルで島の風を感じながら巡るのも素敵な体験です。
出発前に準備しておくべきこと
費用を抑えるためのポイント
五島列島への旅費をできるだけ節約したい方に向けて、実践的なコスト削減のヒントをまとめます。
夜行フェリーの活用が最も効果的です。博多港発の夜行フェリーを利用すれば、移動と宿泊を兼ねることができ、ホテル代1泊分(5,000〜10,000円程度)を丸ごと節約できます。
佐世保ルートの検討も有効です。上五島が目的地の場合、佐世保港から有川港へのフェリーは片道2,940円と、長崎港発のジェットフォイル(7,000円以上)に比べて大幅に安くなります。
また、各船会社の割引制度も見逃せません。往復割引、団体割引、Web予約割引などが用意されている場合がありますので、予約時に確認しましょう。タウンWiFiなどの無料WiFiサービスを活用すれば、島でのデータ通信費も抑えられます。
季節・天候がアクセスに与える影響
五島列島へのアクセスで見落としがちなのが、季節や天候による影響です。
冬季や台風シーズンはフェリー・ジェットフォイルの欠航リスクが高まります。特に12月〜2月の冬場は北西の季節風が強く、波が高くなりやすい時期です。8月〜10月の台風シーズンも同様に注意が必要です。
これまでの経験上、旅程に余裕がないビジネス出張の場合は飛行機を選ぶのが無難です。観光の場合でも、帰りの便が欠航した場合に備えて、予備日を1日設けておくと安心できます。
逆に、春(4月〜6月)と秋(9月下旬〜11月)は比較的天候が安定しており、海も穏やかなことが多いため、船旅を楽しむには最適な季節です。
運航会社と予約方法
五島列島へのアクセスで利用する主な運航会社は以下の2社です。
九州商船は、長崎港を拠点にジェットフォイルとフェリーを運航しています。福江島(下五島)および奈良尾港・有川港(上五島)への便を担当しており、五島列島アクセスの主力会社です。公式サイトからWeb予約が可能です。
野母商船は、博多港(福岡)から五島列島への夜行フェリーを運航しています。福江島と中通島(上五島)へのルートを担当しています。
いずれの会社も、繁忙期(ゴールデンウィーク、お盆、年末年始)は満席になることが多いため、旅行日程が決まったら早めに予約することを強くおすすめします。
よくある質問
五島列島へ一番安く行く方法は何ですか
最も経済的なのは長崎港からのフェリーで、大人片道4,080円です。さらに費用を抑えたい場合は、佐世保港から有川港(上五島)へのフェリーが片道2,940円で利用できます。博多港からの夜行フェリーは運賃自体は高めですが、宿泊費を節約できるためトータルコストでは有利になるケースもあります。
車を五島列島に持って行くことはできますか
はい、フェリーを利用すれば自家用車を持ち込むことが可能です。ジェットフォイルや飛行機では車両の輸送はできません。車両を持ち込む場合は、車両の長さに応じた追加料金が発生します。繁忙期は車両スペースが早く埋まるため、早めの予約が必要です。
フェリーが欠航した場合はどうなりますか
悪天候によるフェリー欠航時は、基本的に乗船券の払い戻しまたは別便への振替が可能です。ただし、代替交通手段の手配は自己負担となる場合が多いです。旅行保険への加入や、予備日を設けたスケジュール設計をおすすめします。運航状況は各船会社の公式サイトや電話で当日確認できます。
上五島と下五島のどちらを訪れるべきですか
初めての五島列島旅行なら、観光インフラが整っている福江島(下五島)がおすすめです。飛行機でもアクセスでき、宿泊施設やレンタカー会社も充実しています。世界遺産の教会群を中心に巡りたい場合は上五島も魅力的ですので、日程に余裕があれば両方を訪れるのが理想です。
島内にコンビニやスーパーはありますか
福江島にはスーパーやドラッグストアがあり、日用品の購入には困りません。ただし、本土のような24時間営業のコンビニチェーンは限られています。必要な薬や特別な持ち物は事前に準備しておくのが安心です。上五島や小さな離島ではさらに店舗が少なくなるため、事前の準備がより重要になります。
まとめ
五島列島への行き方は、飛行機(最速・約30〜40分)、ジェットフォイル(速さとコストのバランス・約1時間30分)、フェリー(最安・車両持ち込み可能・約3時間10分〜)の3つが基本です。
出発地や予算、旅のスタイルに合わせて最適なルートを選ぶことが、快適な五島列島旅行の第一歩になります。特に初めて訪れる方は、天候による欠航リスクを考慮して余裕のあるスケジュールを組み、レンタカーやフェリーの事前予約を済ませておくことが大切です。
世界遺産の教会群や美しい海が待つ五島列島。この記事が、あなたの旅の計画に少しでもお役に立てれば幸いです。